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【観光庁】城等歴史的資源の活かし方。~城泊専門家派遣のすゝめ~

みなさんこんにちは。観光庁では歴史的資源を活用した観光まちづくり(歴まち)の取組を推進し、本記事は城泊専門家派遣事業についてです。
※「歴史的資源を活用した観光まちづくり」を以下、歴まちと称します。

いきなりですが、

みなさんの地域ではまちの宝、文化財等が眠ったままになっていませんか。

地域の城等歴史的資源の活用が進めたいが、うまく魅力を引き出せていないと感じている方々にぜひ読んでいただきたい記事内容となっています。

本記事では、歴史的資源の保存・活用と城泊の取組についての考え方今年度の観光庁による支援メニューなどを題してすゝめとしてご紹介します!


1.歴史的資源の保存・活用と城泊の取組

■歴史的資源の保存・活用

現在、国を挙げて歴史的資源の保存と活用を両輪で進めていく取組が推進されています。その背景には、日本全体における人口減少や高齢化、それに伴う税収の減少などの要因により、未来へ残すべき歴史的資源の維持が難しくなっていること等の課題が挙げられます。

そこで観光庁では、歴史的資源を活用、必要性を生み、キャッシュを創出することで、保全に再投資するという持続可能な形で歴史的資源を守っていく地域の取組を応援しています。

この取組は、歴史的資源の文化的価値を維持することを前提として、地域に眠っている魅力的な資源を短期的な売上向上や観るだけの文化財として使うのではなく、飲食店や宿泊施設など地域振興の核となる観光資源として活用し、地域内外からの旅行者の増加や交流人口の拡大、またそれらを契機とした地域雇用の創出、U・Iターンの促進、空き家・耕作放棄地の解消などを目指しています。

詳しい話は、以下noteからご覧ください。

■城泊の取組

歴まちを展開してきた地域の中であらゆる歴史的資源等の保存・活用の好事例が生まれています。
本記事では、その中で城の天守や城郭内の建築物、城下町の歴史的資源などを活用した取組である「城泊」について焦点をあて、紹介します。

「城泊」はその他の取組と同様、歴史的資源の文化的価値を維持していくことを前提として、地域の歴史や文化を深く体験する事ができる宿泊・滞在型観光コンテンツのことを指します。

上記画像の通り、城泊の取組としては、以下の3点を目指しています。
①まちへの深い理解
 城等に宿泊することを通して、本物のまちの文化・歴史を体験し、まちの文化・歴史の深い理解を促す。
②観光まちづくり
 まちのシンボルである城の保存・活用を推進することで、対外的なまちの認知度向上を促す。そして、城下町に住んでいる人々の誇りを醸成し、持続可能性の高い観光まちづくり・地方創生へ寄与する。
③文化財の維持・保全
 「保全」と「活用」の好循環を創出する仕組みとして機能することで、城等の歴史的資源を次世代へ継承する。


また、城等の歴史的資源を中心とした滞在型コンテンツを整備することで、地域の伝統芸能や伝統工芸、食文化など地域内に“点”として存在しているあらゆる魅力を”線“で結び、歴史的な社会経済圏・文化圏などの”面“で振興を図っていくことで地域の魅力を最大化できると考えています。

このような大きな魅力や可能性を秘めている「城泊」の取組に対して、観光庁では2020年から専門家派遣の支援を開始し、これまでに合計12地域に対して支援を実施しました。
その中で既に旅行者を受け入れている2つの地域について紹介している記事があるのでこちらからご覧ください。

加えて、現在進行中で城泊の実現に向けて取り組んでいる2地域を紹介する予定です。そちらの記事はお楽しみにお待ちください。


2.専門家派遣で取組を一歩先へ

さて、城泊について、ご興味・ご理解を頂けましたでしょうか!?

とても可能性に満ち溢れていて魅力的な取組である一方で、実現までのハードルが高く、歴史的資源を抱えている地域でも最初の一歩を踏み出せないのが課題となっています。

そのような課題を解決するために、観光庁では城泊等歴史的資源の活用の実現に向けた専門家派遣を実施します。
専門家には城泊実現に携わった官民両面の方々にご協力をいただき、「地域の目指す姿」や「本質的な課題の洗い出し、その解決方法」などオーダーメイドの伴走支援を実施します。

これまでの支援してきた内容から
・地域で散見される状況
・支援のイメージ
をご紹介します。
皆様の地域でも直面している課題に対する解決策が見つかるかもしれません。

■地域で散見される状況

・文化財の扱いについてよくわからないからあまり関わりたくない
・関連する法制度が複雑で何から始めたら良いのかわからない
・検討段階で関係者が多く合意形成を得られそうにない
・維持していくためだけでも予算がギリギリだから改修費や運営費を準備できるわけがない
・宿泊施設や飲食店として活用するとしても運営事業者が見つからない

■支援のイメージ

【課題(自治体の文化課担当者】
「入城収入は減少傾向にありますが、城郭内の櫓が改修の時期を迎えています。この機会に、より多くの人に城の魅力をアピールしたいと考えています」

【専門家のアドバイス】
「改修の時期を迎えているのであれば、活用をも視野に入れた改修計画を一緒に考えませんか。文化財の保全のみの補助金を拠出するのは非常に難しいと思いますので、まちづくり計画の一つとして事業を進めていくことが望ましいです。」
「城郭内の櫓等を中心に、地域の歴史や背景を深く知るための滞在型のコンテンツを整備する必要があると思います。城泊等に取り組むことにより、地域が城下町であると認知され、観光まちづくりのきっかけになります。」
「活用の仕方は様々であるため、地域としてどのような城の在り方を望むのか、必要なステークホルダーを集め、検討する場を現地訪問の際に設けましょう!」

【課題(自治体の文化課担当者】
「魅力的な歴史的資源が数多く残っているため、地域住民含めより多くの方に文化財の価値に気づいてもらいたいと考えています」

【専門家】
「一般公開による30分程度の滞在だけで本来の価値を伝えることは難しいです。地域の史実を紐解き、それらを題材とした観光コンテンツを提供して、魅力を体感してもらえるようにしてみてはどうでしょうか。」
「滞在拠点を整備することにより、滞在時間が延びるため、地域に落ちるお金も増えることに繋がります。また、地域の歴史・背景に根差した形でのまちづくりを行っていくことが、地域のファンづくり、関係人口の創出につながります」
「観光コンテンツの提供によって収益を生めば、現在修復が止まっているその他の歴史的資源の改修費に予算を回すことができそうです。収益の再投資によって城下町の復活を目指して取組を推進しましょう!」

実際の専門家による支援は、オンラインミーティングや現地視察を通して地域の皆様と地域独自の歴史的資源の魅力を最大限に引き出した活用について伴走支援で検討していきます。
※現地視察を実施する際は新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、地域の皆様とご相談の上、スケジュールや行程を確定します。

こちらの支援内容に改修費等補助金によるサポートはありませんが、視察費等専門家支援に伴う予算をご用意いただく必要はありません


■本事業内での目指すゴール

そして、専門家による支援で目指すゴールは、事業計画書の作成です。

もっとも重要なことは、歴史的資源を維持・保全するために、城泊を通し、必要な収益を確保して、サステナブルな形で取組を進めることです。

その実現のための設計書が事業計画書の役割です。取組本支援では、実践者である専門家の目線で現実的な事業設計を検討する良い機会をサポートしたいと考えています。

それでは、ここまでお読みいただいた皆様に耳よりな情報をお届けします!

3.耳より情報! 

城泊をはじめとした歴史的資源の保存・活用及び歴まちに関して、インターネット上でもあまり情報がないのが現実です。
そのため、本記事を投稿している「観光庁|歴史的資源を活用した観光まちづくり」のアカウントで様々な情報を発信していき、観光庁noteは歴まちのプラットフォームとして育てていきたく思っています。

直近では、「城泊に取り組む意義」や「昨年度までの専門家派遣等支援の成果事例」を紹介する記事を投稿していく予定です。

また、城泊に取り組む地域の事例を紹介しながら専門家派遣の事業内容についてより詳しく紹介するセミナーの開催準備も進めています。詳細はこちらのアカウントのnote記事や観光庁のHPにて、改めてご案内予定となっています。

本記事を読んで専門家派遣や城等歴史的資源の活用について興味を持った方やご相談のある方は、事業事務局までお問い合わせください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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