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城泊

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お城で泊まることができます。お城の価値を保全するために活用する手段としての城泊。その魅力や想いを読んで頂けたらと思います。
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2021年9月の記事一覧

常設宿泊施設「平戸城 CASTLE STAY懐柔櫓」の挑戦 〜「城泊」から広がる地域振興の可能性〜

今回は、長崎県平戸市における城泊の取り組みを紹介する連載記事の第2弾です。 第1弾をお読みでない方は、こちらを先にお読みください。 取材・文/萩原さちこ 2021年4月に開業した「平戸城 懐柔櫓CASTLE STAY」。日本の城における初の常設宿泊施設が誕生した経緯や今後の課題を、管理・運営する株式会社狼煙 代表取締役の鞍掛斉也さんに伺いました。 2021年4月に開業した「平戸城 懐柔櫓CASTLE STAY」(提供:株式会社狼煙) 城内イベントが「城泊」のヒント

日本初!常設宿泊施設「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」とは 〜絶景を独り占めして、ラグジュアリーな城主体験を〜

今回から3記事連載で、長崎県平戸市の城泊の取り組みをお伝えしていきます。今回取材いただいたのは、城郭ライターとしてご活躍されている萩原さちこさんです。 ヨーロッパの古城ホテルのような城ステイ 2021年4月に開業した、長崎県平戸市の「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」。湖畔に佇むヨーロッパの古城ホテルで過ごすような、絶景を独占した城ステイです。 宿泊できるのは、平戸城内に建てられた懐柔櫓。大きな特徴は、宿泊を前提に改築された宿泊施設であることです。本来、天守や櫓は生活

「城泊」からはじめるサステナブルな地域づくり 〜「大洲城キャッスルステイ」取材後記〜

今回が愛媛県大洲市における城泊の取り組み紹介記事の最終回です。 第1回はこちら。 第2回はこちら。 取材・文/萩原さちこ イメージを覆す包括的プロジェクト 「1泊100万円で天守に泊まれる!」。昨年、インパクトのあるニュースがメディアを騒がせたのは記憶に新しいところです。タイトルのキャッチーさゆえ「文化財の活用事例」より「商業的な企画」なイメージを持った方が多かったのではないでしょうか。私もそのひとりでした。 ところが今回の取材で、その印象は一変しました。決して商

まち並み消滅危機から起死回生の一手。〜「城泊」を中心としたまちづくり、成功の秘訣とは〜

今回は、愛媛県大洲市における城泊の取り組みを紹介する連載記事の第2弾です。 第1弾をお読みでない方は、こちらを先にお読みください。 取材・文/萩原さちこ 文化財観光施設を活用した歴史体験「大洲城キャッスルステイ」は、どのように実現したのでしょうか。経緯やコンセプト、課題や展望などを、一般社団法人キタ・マネジメント 事務局長次長の村中元さんに伺いました。 村中さんは大洲市役所で文化財保全や大洲城復元の担当を経て観光まちづくりに携わり、観光地域づくり法人(DMO)の設立や